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深雪〜miyuki〜 第十七話〜コンタクト〜


どれくらい時間が経ったのだろうか。

彼女は何処へ行ってしまったのか。

自分が今何処に居るのか…それすらも分からないけど。

僕はただひたすらに前に向かって駆けていた。

ただ彼女に、

深雪たんに会うために。

会って、言葉を…気持ちを伝えるために。

―大丈夫…裏葉くんなら、きっと大丈夫だから…

"大丈夫。"

静名さんはそう、僕に言ってくれた。

だから僕も諦めない。

僕に…想いを打ち明けてくれた彼女の気持ちを、
彼女の決意を、想いを、

それを…裏切るわけにはいかないから。

そんな時。

ふと目についた蒼白に光る美しい橋。

その橋の向こうに…彼女は居た。

可憐に、ただ静かに水辺を見つめるその姿は、とても幻想的で、そして美しかった。

裏「へぇ…、クリスマスを過ごすにはロマンチックな場所ですね
深雪「…え
深雪「裏葉……さん?
裏「…こんなところに居たら風邪引きますよ、深雪さん

僕が声をかけると、彼女…深雪たんは心底驚いた様に僕を見つめた。

深雪「どうして…
裏「あはは…走り疲れて…ちょっと疲れちゃいました
深雪「…。
裏「綺麗な夜景ですね
深雪「どうして…此処に
裏「ひょっとして、僕が来たら迷惑でしたか?
深雪「そんなこと…そんなこと、無いです…

ずっと泣いていたのだろうか。
目の前に佇む彼女の頬は、まだ少し赤くなって見えた。

そして…、

僕達は何も言わず二人、隣り合わせにその景色を眺めていた。

あちこちでライトアップされた光、それはまるで意思を持っているかの様に様々な色を創りだす。
そして、それらは互いに重なり合って、水辺に映し出される。

深雪「ねぇ…裏葉さん、空…見てください
裏「…空?
深雪「すごく綺麗な星空、それに…

輝く星空。
その間から小さな、白い結晶がその姿を覗かせていた。

やれやれ、やけに寒いと思ったら…。

裏「雪…ですか
深雪「…ふふv

深雪たんは、小さく笑顔で、空を見上げた。

はは…。
ホワイトクリスマス…か。

この辺は滅多に雪なんて降らないはずなのに…ね。

深雪「こんなところまで追いかけてきてくれるなんて、私…思ってもいませんでした
裏「深雪さんを泣かせたままにしてたら、深里ちゃんに何されるか分からないですしね
深雪「…ふふふw
裏「それに…深雪さんの事、心配でしたから
深雪「私…が?
裏「…。
深雪「…ねぇ、裏葉さん。
裏「ん…?
深雪「もう少しだけ…、くっついてもいいですか
裏「…いいですよ
深雪「有難う…ございます
裏「…。
深雪「あったかい…ですね
裏「…はい

本当は…少し寒かったけど。

僕は彼女のぬくもりが感じられたことが嬉しかった。

深雪「あの…私、ごめんなさい…突然あんな事言って、迷惑でしたよね…
裏「そんなこと…無いです
深雪「え…?
裏「それより僕の方こそ、何も答えてあげられなくて…

そうして。

僕は、小刻みに震える彼女のその小柄な体を、そっと抱き寄せた。

深雪「…!う、裏葉…さん?
裏「…深雪さん、僕は

裏「僕は貴方が…好きです

…そうだ。

釣り合えるかどうかなんて、そんなこと関係無い。

僕は、

僕はただ…この娘が、

この娘の事が…好きなんだから。
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