深冬〜Summer Days〜 #2
全くもってどうにも厄介ごとに胸を突っ込んでしまったらしい。
あれ、首を突っ込むだっけ?
まぁそんなことはどうでもいい。
とにかく僕は何か変な奴に絡んでしまった様だ。
深冬「む、ひょっとしてお兄さん今私のこと変な奴ーとか思った?
そしてどうやらこの娘、エスパー系である。
「ななな、何を言ってるのかな君は
深冬「…お兄さんてわっかりやすいねー
「まぁな
深冬「いや、だから褒めてないって
「ま、そんなことはどうでもいい
深冬「いや、良くない良くない
ま、とにかく。
とにかくだ。
今、僕の目の前に居る少女。
僕に深冬と名乗った彼女。
彼女は僕に"自分は捨てられた"と、
そう言ったのだ。
うん、とりあえず今はそれは置いておくとしよう。
「それで…改めて聞くが、深冬はなんでこんなところに居るんだね
深冬「言ったでしょ、私捨てられたって
「それで?
深冬「だーかーら!ここで寝泊りするの!
「は?
なんというか、彼女が言いたいことはこうだろう。
自分は親に捨てられたから帰るところが無い。
帰るところが無いから寝るところも無い。
だから仕方なく公園で野宿する、と、こう言いたいわけだ。
「あのなー、いくら家出して寝るところが無いからって年頃の女の子がこんなところで野宿なんてなー
深冬「…お兄さんたらちゃんと私の話聞いてたの?
「おう、勿論
深冬「私、家出したなんて言ってないー
「捨てられたんだろ?
深冬「そー!そだよ!
「…ふぅーん
深冬「あー、何よぅ、その疑いの眼差し…
尚も捨てられたと言い張る深冬。
しかし今のご時世、自分の子供を捨てようなんて親、そうは居ないだろう。
と、まぁ思って話半分に彼女の話を聞く僕。
深冬「絶対の絶対、捨てられたんだから!
「……。
…まぁ、当のご本人は頑なそう言い張ってるので深くは追求しないでおく。
なんかめんどくさいし。
「ああ、まぁそれはいいけど、公園で寝るのは良くないぞ
深冬「どうして?
「背中が痛くなるだろ?
深冬「あー、うん、確かにそうかもー
自分で言っといて"いや、その理屈はおかしい"って感じだったが、
深冬は「言われてみればー」と言った感じでうんうんと小さく頷いた。
実はこの娘、あんまり利口じゃないんだろうか!
深冬「でもね、私この公園大好きだから
「どうして?
深冬「ほら、見て
「ん
そう言って深冬は自分の遥か上を指差す。
その指の先。
その先に見えるいくつもの小さな輝き。
彼女の指差したその先には幾多の星が映し出されていた。
それはとても星空だった。
深冬「ね、綺麗でしょ?
「まぁまぁだな
深冬「あ、興味なさげ…ロマンが無いなー
「ま、綺麗じゃないか
深冬「私、子供の頃からここから見る夜空が大好きなんだ
「今も子供じゃん
深冬「いちいちうっるさいなー、お兄さんは
「そのスカート、可愛いな
深冬「そう?ありがとw
「なんつーか、程よく見えそうでいい
深冬「…さいってーだね
夜空を見る彼女の表情は、とても無垢で優しくて、自然とどきどきしてしまう。
なんだか恥ずかしくなった僕は、そう言って照れ隠しをした。
しかしそのスカートは本当に見えそうで見えない絶妙なバランスを保っている。
くやしい!ビクビクッ
深冬「それはそうと
「ん?
深冬「お兄さんはどーしてこんなところに居るのかなー?
と、深冬はさも当然の様にそう僕に聞いてきた。
まぁ、彼女にしてみれば僕も相当に怪しい人物であろう。
故にその問いは有る意味当然とも言える。
「知りたいか?
深冬「知りたいね
「ならば仕方ない、冥土の土産に教えてやろう…我が一族最大の秘密を
深冬「いいからさっさと教えてよ
「……。
僕の威厳と風格のある発言を華麗にスルーする目の前の小娘。
なんだかちょっと泣きそうだ。
というかちょっぴり泣いてる。
「…泣いていい?
深冬「どーぞ
「……。
深冬「ぷっ、お兄さんってばおもしろーいw
泣きそうな僕をよそに、指をさしながらクスクス笑う小娘。
この小娘、本当に冥土に送ってやろうか!
しねばいいと思う!
深冬「ねね、お兄さん
「なんだ小娘
深冬「小娘じゃないもんー、深冬だもんー
「黙れ小娘
深冬「うぅ…ひょっとして私のこと…嫌いになった?
一転して瞳をウルウルさせて上目遣いにこちらを見てくる深冬。
…この瞳に何人の男どもが悩殺されるか分かったもんじゃねぇぜ!
深冬「ごめんなさい…お兄さん
「あ、いや別にその…
深冬「…ぷっ
「え
深冬「お兄さんったらもーほんとに泣きそうになっちゃって面白ーいww
「………。
可愛い顔して悪魔の様な娘っ子である。
ちくしょうこの小娘めが一度部屋に連れ込んで調教…
深冬「ね、おにーさん
「…なんだよ
深冬「お兄さんて、今一人暮らしなの?
「それがどうした
深冬「ねね、それじゃ私のこと、その…家に泊めて!
「……。
あれ、今こいつ何て言った?
「あのー、深冬さん?今なんとおっしゃられて…
深冬「だーかーら、私をお兄さんの家に泊めてってー
「………。
「…は?